2008年7月31日(木)16:38

リスボン条約問題でアイルランドとチェコに対する圧力が高まる

ローマ(AFP)

欧州連合の機構改革の危機をめぐり、アイルランドとチェコのEU懐疑派に対する圧力は高まりつつある。イタリアが24ヶ国目にEU改革リスボン条約を議会で批准したからである。イタリアのシルヴィオ・ベルルスコーニ首相とEUの代表は異口同音に議会の表決を歓迎した。これにより、スウェーデンならびにEUに懐疑的なチェコのみが議会での批准を残すことになった。アイルランド政府は国民投票での批准否決を受けて、10月中旬のEU首脳会議までに解決策を提示することが求められている。

イタリアの下院はリスボン条約の批准を全会一致で承認した。上院はすでに一週間前に承認している。551票の賛成という結果が発表されると、多くの議員は立ち上がって拍手を送った。ジャンフランコ・フィーニ下院議長は、この決定はEEC創立国としてのイタリアの伝統に則るものだと述べた。

ベルルスコーニ首相は表決結果に対する「大きな満足」を表明した。ともに連立を組む反EU派の北部同盟も最終的にはリスボン条約に賛成した。北部同盟は表決前に国民投票の要求を取り下げた。

欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長と欧州議会のハンスゲルト・ペッテリング議長もブリュッセルで、欧州統合プロセスに対する明確な「支持表明」を称賛した。ペッテリング議長(キリスト教民主同盟CDU)は、リスボン条約が来年6月の欧州議会選挙までに発効する可能性があるとの期待を表明した。

しかしこれはひとえにアイルランド国民の意思にかかっている。アイルランドは、EU諸機構のスリム化と決定手続きの簡素化を定めたリスボン条約を6月12日の国民投票で否決した。条約の発効には加盟全27ヶ国の批准が必要とされる。アイルランドは国民投票を実施した唯一の国であった。この問題は10月の次期EU首脳会議で協議される予定である。

ポーランドのレフ・カチンスキ大統領も、イタリアの批准承認によりさらなる圧力にさらされることになる。ポーランドの批准は大統領の署名を残すのみであり、議会はすでに4月に批准を承認している。またチェコではリスボン条約が憲法に合致しているか、最高裁判所の判断が待たれている。

原題:In EU-Krise waechst Druck auf Iren und Tschechen




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